???〜15〜

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 「まぁ本人がいいようなので放っておいてあげてください」
 ゾク「そうするか」
 アラタ「えっと、流れが途切れちゃいましたけど・・・」
 「あ、そうですね、私はリン、紅蓮の焔所属、器用さ重視のハイプリーストです」
 ゾク「紅蓮の・・・?」
 リン「このナオキが作ったギルドです」
 アラタ「あ、ナオキさんてギルドマスターだったんですね」
 ナオキ「うん、みんなに助けられてばかりだけどね」
 アラタ「私はアラタって言います、でこっちがゾクさん」
 ゾク「よろしく」
 リン「うん、よろしくです」
 炎手「ねぇねぇ、二人は恋人同士なの?」
 アラタ「いいえ」
 ゾク「即答か」
 アラタ「今日結成したばかりの旅仲間だし」
 炎手「そうなんだ、じゃあこれからだね!」
 ナオキ「アラタちゃんは記憶喪失らしいんだ」
 リン「え、そうなんですか?」
 アラタ「はい、それで手がかりというか、今やれることがボスモンスターと何体か倒すことなんです」
 リン「よりによってそれしかないんですか?なら二人だと大変では?」
 アラタ「GDではゾクさんのMEがありますから」
 ゾク「でも言われてみればそうだな、これからのダンジョンはどうするんだ?」
 アラタ「気長に仲間を増やしていけばいいんじゃない?」
 リン「じゃあうちに入ったらいいと思うけど、ねぇナオキ?」
 ナオキ「あ、いいねいいね」
 アラタ「えっと、でも・・・」
 リン「見た目はいかついけど、人助けが趣味の男だから便利ですよ」

 ナオキ「ちょっと待った」
周りを見回しながらナオキが会話を遮った

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???〜14〜

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 ナオキ「これで、終わり!」
最後のゾンビをナオキが十字に斬る
 ナオキ「ふぅ・・・お疲れ」
 炎手「むむむむむ〜ん」
ナオキが振り返ると炎手とペコペコはまだ回っていた
 「ほら炎、もういいわよ」
 炎手「むむむ〜・・・て、え?」
 ナオキ「もう終わったよ、お疲れ」
 炎手「あ、ほんとだ」
その場に残ったのは炎手が倒した敵の残骸
ちなみにナオキが倒したゾンビや悪魔はその場で消滅している
クルセイダーやパラディンは、使う武器にある術式を施して戦う
その武器で斬られた敵はMEを喰らったのと同じように消し飛ぶのだ
 炎手「ふぃ〜・・・って、危なかった、シオ切れてた!」
 「え、いつから?通常武器振り回してたの?」
GDにいる馬型の悪魔やあやつり人形のような悪魔は実態がない
なので普通の武器でそのまま攻撃しようとするとすり抜けてしまう
そういった敵にクルセイダー以外でも攻撃できるようにするのが、プリーストのアスペルシオという術式
その術式の略称がシオだ
確かに炎手の使う武器にはシオ特有の輝きがなくなっていた
 「まったく、少しは考えて戦ってよ」
 炎手「ごめんごめん」
 ナオキ「はは、まぁ無事倒せたし、炎ちゃんのおかげだよ」
 「いやいや、この人達のおかげでしょう?」
ハイプリーストがアラタとゾクの方を見て言う
 ナオキ「そうだった、本当に助かったよ」
 アラタ「いえ、お返しができてよかったです」
 「あれ、知り合いなの?」

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???〜13〜

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とりあえずもう一息ついてから二人は3Fへ下っていった
その階段の途中
 「後ろ!沸いてきたよ!」
 「でやぁ!」
 「オッケー、私そっち向かうね!」
 『ヒール!』
階段のすぐ下から戦闘の気配がする
しかもその声の中にはさっき聞いたばかりの声が
 ゾク「ほら、会えた」
 アラタ「というか、これ・・・」
そこでは大量のモンスターとその残骸に囲まれた三人のパーティが
その内の一人が先ほどの女ナイト、炎手
さらにパラディンのナオキと見知らぬハイプリースト
 ゾク「こりゃまたとんだモンスターハウスだな」
ボスモンスターのいるダンジョンでは、そのボスモンスターがそこらじゅうにモンスターを召喚する
なので所々で手に余るほどのモンスターが蔓延ることになる
モンスターはボスも含め、元々一定時間で復活するので、それと相まって正にモンスターの家状態になる
 ゾク「この様子だとDOPはいるな」
 アラタ「今はそんなことより・・・これ、大丈夫なのかしら」
見るとパーティの要、ハイプリーストは肩で息をしている
プリーストは基本的に体を動かすことはないが、状況に応じて様々な術式を行使する必要があるため
精神的な疲労が尋常ではない
パーティの命綱であるということも思えば尚更だろう

 アラタ「危ない!」
ちょうど前の敵に集中している二人の前衛の死角から
槍を持った小型の悪魔がハイプリースト目掛けて走っている
アラタの声でそのことに気づいたハイプリーストは急いで距離を取ろうとしたが
 ゾク「動くな!」
その時急にゾクが声を上げた

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???〜12〜

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 「いや〜、お疲れ!大変だったねぇ」
 アラタ「誰のせいよ誰の」
 「あはは〜」
この女ナイト、実力は普通だが、誰にも負けないという点が一つあった
恐ろしいまでにマイペースなのだ
今会ったばかりのアラタでもそれを感じ取れた
 ゾク「おい動き回るな、ヒールかけてやるから」
ヒールは言うまでもなく回復術式で、プリーストの術式の中でも基本中の基本
なので覚えていないプリーストはいない、これを覚えずに他の術式をマスターすることはできないのだ
先程アラタが使ったIAは身体能力をあげるものだったが
ヒールは自己治癒能力を一時的に高め、一定の傷を瞬時に治す
 「お、ありがとね!ほらファビオラ、止まって止まって」
女ナイトがファビオラと呼んだのはペコペコのことらしい
よくペットは飼い主に似ると言うが、どうやらペコペコにもそれが当てはまるようだ
さっきあれほど多くのモンスターに追われ全力疾走していたのに平然としている
それどころか落ち着きなく動き回っていたのだ
 「それにしてもすごい威力のMEだったね、普通のプリさんなのに」
 アラタ「それは私も思ったかも・・・って、今はそんなことより」
 ゾク「あぁ、こいつは誰なんだ?アラタの知り合いか?」
 アラタ「違うわよぅ・・・あんた1Fの入り口に駆け込んでいたわよね」
 「うん、忘れ物しちゃったんだよね!」
 アラタ「ふ〜ん」
しょっちゅう忘れ物してそうだ・・・アラタはそう思ったが口には出さなかった
 「それで戻ってきたんだけど、今度はハエの補充忘れちゃってさ!」
 アラタ「うん、何となく読めたわ」
 ゾク「つまりこれは赤の他人か」
 「も〜!これとかこいつとかあんたとか、私は炎手って言うの!」
何故か胸を張って得意げにしている炎手の下で
これまた何故かペコペコも得意げな顔をしていた

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???〜11〜

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振り向くと1Fで見たペコペコがまたもすごい勢いで走ってきた
ただ問題はそこではなく
 アラタ「ちょ、ちょっと・・・?」
そのペコペコのさらに後ろに大量の砂煙があがっている
それに気づいたアラタは、次の瞬間
 アラタ『Increase・Agility!!』
無意識のうちに、自らにドーピング術式を施していた
通称IAと呼ばれるこの術式は身体能力を爆発的に増進させる
ペコペコと同等の脚力を得ることも可能なこの術式は、一時的とは言え体に相当な負担がかかるので
本来は戦闘開始時に前衛の人間にのみかけるものだが、今はそうも言っていられない
ペコペコがちょうどアラタとすれ違うとき、アラタも駆け出していた
 「ちょっとちょっと、一緒に走ると危ないよ!」
ペコペコの上に乗っていたのは女ナイトだった
敵を薙ぎ倒したり、後衛が術式構成を済ませるまで時間稼ぎをしたり
槍と盾を持って戦うナイトはまさに前衛の代名詞
そのナイトが何故敵から逃げているのか
 アラタ「あのまま抜かれてたら余計危ないわよ!」
 「ぇ〜、そうかなぁ、振り切るから大丈夫だったよ!」
 アラタ「だからその振り切った敵がこっちに来るじゃないの!」
 「あ、そっかそっか」
いくら術式で身体能力を上げているとはいえ、アラタが自分の足で走っているのには変わりない
一方ナイトは、頑張って走っているのはペコペコだ
そのペコペコの上から余裕顔で話しかけられると、状況が状況だけに腹が立つ
 アラタ「大体あんたはナイトでしょう?あれくらい倒しなさいよ!」
 「う〜ん、上で知り合いが待っているからさ」
こいつには何を言ってもダメだ、そう悟ったアラタは
 アラタ「もういいわ、この先に仲間がME展開しているはずだから突っ込むわよ」
 「あ、そうなんだ、よ〜し、行け〜!」

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